⑤再び上京して底辺にいる自分を実感する

大手証券会社をやめ、その後、3カ月と2週間で2つの会社を辞めた自分。

かなり開き直ってきたのも事実。

漫画の方も依然としてうまくいってない状況。

正社員で続かないし、こりゃもうフリーターしかない!

でも、田舎でフリーターは自分は良いにしても親が恥ずかしい思いをする。

これ、もう上京するしかないよね。。。

そう思ったのです。

 

渋々ですが上京を許してくれた両親

親はもうすでに、あきれ果ててます。

そりゃ誰が見てもあきれるでしょう。

自分でも、それはもう仕方ないと思っています。

 

それもあってか、上京することにOKが出ました。

何を言ってもいうこと聞かないし、結果も出ない自分。

なのに他人の意見も聞かずに、ただ自分の思ったようにしかやらない人間だということを親もわかっていたようです。

 

幸いなことに都内某所の安いアパートを見付けました。

治安が悪いと言われる足立区の外れですが、畑などもあり環境がよく、とても住みやすい場所でした。

その頃は賃貸にも「保証人不要システム」がありましたので、独力で契約しました。

駅から遠く都内に出るには不便ですが、それでも1時間半もあれば出版社のある神保町まで行けます。

 

そこで再び、細々と続けていたサークル活動を再び活動範囲を広げて、

仲間と直接会って話したり、切磋琢磨しつつ楽しい創作生活が始まったのです。

 

働くことは漫画のことを忘れるくらいのダメージ

ところで、実家にいて苦難の時間を過ごしたのですが。

もちろん、その間も漫画やシナリオはちょいちょい描いていました。

漫画を描いている仲間と、漫画家を目指すためのサークル活動もちゃんと続けていたのです。

 

でも、仕事って、すべてを吹き飛ばすだけのインパクトがありますね。

仕事で嫌なことがあると、何もしたくなくなります

土日ですら、ゆっくりしたい、何もしたくないと思ってしまいます。

 

それは、フリーター生活をしようと思って上京した時も続きます。

なるべく人間関係の希薄な職場を探そうと思っても、

どこにでも「嫌な奴」っているものでして。。。

そういう人たちにイライラしてしまって、仕事もやる気がなくなるだけでなく、

メインの創作活動もできなくなってしまうのです。

何より、創作活動には、精神状態が重要ですからね。

 

割の良いバイトを見つけたなと思ったんですが・・・

上京した時にアルバイト先を探すのですが、

そこはさすが大都会「東京」です。

すぐにアルバイト先が見つかりました。笑

それも、かなり条件の良い職場でした。

 

それはカラオケ屋さんでした。

週に3日だけ働いて、その代わり1日12時間くらい働きます。

すると、1日で1万円くらい稼げますから月に12万円くらいになります。

週のうち、4日も創作活動に充てることができますし、十分に生きていける月収です。

 

ところが、問題は間もなく起こりました。

そのカラオケ屋さんはには店長と言われる中年社員がいたのです。

オーナー曰く、以前は系列の居酒屋店にいたそうなのですが、あまりに仕事ができず、

ついにカラオケ店に移動になったとのこと。。。汗

 

まず、アルバイトさんに、きちんと仕事を教えないのです。

教えないどころか業務指示もあまりしないので、何をやったらよいかわからないんですよね。。。

僕も全然仕事を教わった記憶がなく、他のバイトさんから仕事を教わる始末。。。

嫌な予感しかしません。。。

 

再び訪れる「逆」学歴差別・・・

聞けば教えてくれるんですが、やりにくいなあと思っていたんです。

しかも、あまり僕のことを気に入ってない様子。

それは他のバイトさんとの接し方を見てもわかりました。

 

ちなみに他のアルバイトさんも、僕と世界の違う人ばかりでした。

女性のバイトさんもいたのですが、いわゆるギャル系というのでしょうか、平気で下ネタを言うのです。

ブログにすら書けない単語を平気で、ペラペラと談笑してるのです。

「おぞましい」「関わりたくない」そう思いましたね。。。

 

そうかと思えば、今でいう関東連合・半グレでしょうか?

そういう仲間とつながりのあると自称する若者もいましたね。

その一方で、チャラいなあって感じの人もいまして、よくよく聞くと早稲田大学の学生だそうで。。。

とても早稲田とは思えないチャラさでしたね。

 

そういう環境ですから、ぼくはもうハッキリ言って浮いていたんでしょうね。

真面目過ぎたので、そういう会話の輪に入っていけなかったのもあり、上から目線に見えたのだと思います。

オーナー曰く典型的なダメ人間の店長も、こんな真面目な奴とはやってられないって思ったんでしょうね。

 

ブチギレ逆上されてバイト生活を終える

ある時、ある女性バイトさんとシフトに入った時です。

その人は僕より年上で、いつも威張っている感じの女性の方でした。

その日もまた、僕はその人に注意されたんですが、同じことをその人もしていたので、ついつい言い返してしまったんです。

 

「でも、それは、◎◎さんも同じことされてましたよね?」

 

そしたら、普段は真面目で大人しい僕がいきなり反抗したのだからビックリしたんでしょう。

まさに、怒涛のごとく大激怒したんです。。。汗

 

お客さんもすぐそこにいますよ、そんなのお構いなしで大きな声で怒鳴って、しまいには泣き出したのです。

泣いてわめいて、ついに、オーナーが直々に出てきて、なだめて、やっと落ち着いたのです。

 

その日は僕もビックリしたのと、さらに罪悪感とで仕事が手に着かない状態でした。

そして、元々職場で浮いていたのと、女性バイトさんを怒らせてしまったということもあり、オーナーに謝罪と、そして「辞めます」と伝えに行きました。

やっぱり、3カ月くらいだったと思います。

 

オーナーは今日の件も、そして僕が辞めると言ったことに対して怒ったりせずに、こういったのです。

「あんなキチガイみたいな女に怒鳴られて怖かったでしょ?ホントにごめんね」と謝罪されてしまったのです。

これまた、ビックリでして。。。汗

オーナーも、彼女が激情してお客さんの前で怒鳴り散らしたことを怒っていたのです。

 

そしてこう続けます。

「あなたのような立派な大学に出て、そもそも、なんでこんな酷い場所に来るの?」

「どうしても、ここで働きたいというから採用したんだけど、やっぱりダメだったでしょ?」

「こういうところは、あなたのような人が来ちゃいけないところですよ、あの店長を見ればわかるでしょ?」

「まだ若いのに、こんなところで時間をつぶすなんて本当にもったいないですよ」

その後、オーナーさんの子供の話とか、昔話が続きます。。。

 

自分ができることをした方がいいんじゃないのか?

そして帰宅しました。

オーナーさんに言われて、

「僕って、そんなに地を這うような生き方をしているんだろうか?」

とつくづく思うようになったのです。

他人から見たら、そんなに哀れな生き方をしているんだろうかと、そう思ってしまったのです。

 

思えば、上京してまだ半年です。

創作活動の成果も出ていなければ、バイトとはいえ仕事もまたすぐに辞めてしまいました。

まあ、哀れな生き方ですわな。。。

 

またこのパターンか!

自分でも重々わかっているのです。

でも、いつも同じ結果になってしまうのです。

ダメな人は繰り返すんです。

そういうものです。。。

 

仕事は探せばまたすぐに見つかるでしょう。

でも、「それでいいのか?」と思ったのです。

ここで、再び適当な好きでもない得意でもない仕事について、ストレスをためて、漫画も書けないわ、仕事も辞めるわで良いのか?と。

 

そこで見つけたのが今の自分の本業でもあるプログラムの仕事です。

この辺の経緯は、また別の記事でお話ししますが、これぞ天職という仕事であったことは間違いありませんでした。

 

<オマケ>

むかし僕の主催してた漫画サークルの会報に載せてた4コマ漫画です。

「漫画家を目指した話」シリーズの末尾に1本ずつ載せてますので見てね。

 

 

https://inumakedon.com/it-tenshoku/

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