③転職を繰り返した暗黒の社会人時代

大和証券を辞めてからは、さらにつらい毎日が待っていました。

このころが、ぼくにとっても1,2を争うくらいの暗黒時代です。

毎日がつらい、逃げたくても逃げる場所が無い、そんな時代でした。

自分で自分を追い詰めた暗黒時代の話。

 

父親から実家へ帰ってこいの一言「母親は泣いてた」

まもなく大和証券の独身寮を出ましたから、住む場所を探さなければなりません。

アパートは事前にエイブルでいくつか物色していたので、ある程度は目途がついてました。

 

でも、賃貸契約の保証人を親に頼まなければなりません。

父親に電話して保証人になってくれと頼みましたが「ダメだ」の一点張り。

 

それもそうです、母親に会社を辞めたことを伝えたら、泣かれちゃいましたからね。

「オマエはいつもそうだ、何をやってもすぐにやめる、大学だって一度辞めてるじゃないか」と。。。

(後日お話ししますが、僕は大学を2つ行っているんです・・・。)

 

一人にさせとくと何をするかわからないボクを父親も心配したんでしょう。

アパートの保証人にはならない、今すぐに実家に戻って来いというのです。

当時は今みたいに「賃貸契約時に保証人がいなくてもOK」というサービスはほとんど存在しなかったのです。

なので、仕方なく実家に戻ったのです。

 

出版社へ持ち込みできないのはイタイ!

でも、やはり漫画家や作家を目指すなら上京しないと不利です。

そもそも出版社への持ち込みは、これでもうできなくなりました。

実家に帰ったらフリーターをやろうと思ってましたから、

往復2万円かけて都内の出版社に行くなんてことは金銭的に不可能に近いです。

 

作品を出版社に直接持ち込むって、かなり重要です。

漫画を持ち込んでると担当者と顔なじみになります。

そうすると、担当者と仲良くなってきて、初見では絶対に聞けないようなアドバイスももらえるようになるのです。

 

でも、いったん実家に帰ってしまったら、年に数度のマンガ賞や文芸賞などの「賞」に応募するしか道はありません。

でも仕方ありませんね、止む無く賞を目指して頑張ることにしました。

もちろん、書く時間を捻出するためには定職には付かずにアルバイトして暮らすのです。

 

実家の田舎に帰ると急に恥ずかしさが・・・

親にも、実家に戻ったらフリーターをやるということは事前に伝えていました。

なので、家の近所のコンビニでアルバイトを始めたのです。

コンビニは学生時代からアルバイト経験があるので、慣れたものです。

 

しかし、数カ月続けたくらいでしょうか。

親としては、コンビニで楽しそうに働く僕の将来に不安を覚えたみたいでして、正社員で働くようにと諭してきました。

通勤のための車も買ってやるから、正社員になれと、そう言うのです。

 

情けないもので、ぼくも実家みたいな田舎でアルバイトをすることに恥ずかしさを覚えたのも事実です。

結局、なるべく残業の少ない会社を探して、その会社に就職することにしたのです。

やっぱり何かを目指すなら上京しないとダメですね。。。

田舎だと周りの目ばかり気にしてしまいます。

 

大卒は有利なのかもしれないけど・・・

ここからも、またしても転職人生が始まります。

大学時代は、家庭教師を4年間続けてましたので、長続きする仕事はあるんですよ。

でも、どうやら僕は、会社のような組織では長続きしないようです。。。

 

最初に入ったのはCADの会社でした。

PCでのデスクワークがメインの会社ですから、淡々と仕事してれば時間が過ぎていき、いつのまにか帰宅という「ちょろい」会社でした。

しかも、自分でいうのもなんですが、最初から仕事はできたと思います。

PCを触るのもCADを触るのも初めてでしたが、「なんて簡単な仕事なんだろう」って思いました。

 

ところでこの会社、社員500人くらいの中堅企業なのですが、僕のような国立大卒というのは珍しく、高卒や高専卒がメインの会社でした。

それもあってか、社長が朝礼で「わが社も◎◎大学や××大学の社員が入社するような会社になった」なんて言うんですよ。。。苦笑

「それ俺じゃん」って思ったんですが、周りの高卒社員たちは良い顔しないですよね。。。

 

入社して3か月目くらいでしょうか、仕事を教わっていた高卒の(かつ年下の)先輩から非常にガッカリした感じでこう言われました。

「僕がやっている仕事を、近いうちにあなたににやってもらうことになりますので、よろしくお願いいたします。」と。

「先輩はどうなるんですか?」と聞くと、僕と入れ替わるというじゃありませんか。。。

 

そうです、入社して3カ月目で、その人の仕事を奪ってしまったのです。。。

罪悪感たっぷりです。。。

でも会社の上層部が決めたことだから仕方ありませんよね。。。

とはいえ、周りの不満は募り、僕の立場は悪くなっていきます。。。

 

当時の僕はパソコンが大の苦手でした

今の僕はIT業界でプログラミングの仕事をしているのですが。

当時はまさかのまさか、パソコンが大の苦手だったのです。

苦手というよりも、嫌いでしたね、触りたくもないというか。。。苦笑

 

おまけに、CADソフトが稼働するパソコンはmac(マッキントッシュ)です。

当時は、Windowsですら触ったことありませんし、macってなに?って世界です。

 

もちろん教えてもらえれば、すぐに吸収できたので、そこは大丈夫でしたけどね。

でも、CADソフトは使えるようになっても、パソコン自体はワケワカラン状態ですから、

なにかあれば、先輩方に質問をする毎日でした。

 

すると、こんな入社したばかりのパソコン音痴を上司にさせてなるものかと、

ぼくがパソコンが苦手なことを攻撃してくる人たちが現れました。

 

ある日、休み時間にサーバーPCのモニターを見ていたんです。

で、ふとマウスに触れてしまったんですが、マウスに触れただけなのですが、サーバーがフリーズしたんですよ!苦笑

当時のパソコンはスペックが低いですから、ちょっとしたことでサーバーが固まっちゃったりするんです。

でもさすがに、マウスに触れただけで、カーソルが少し動いただけでフリーズするって、

どんだけ低スペックなサーバー使ってるんだという話でして。。。

 

そしたら、真っ先にとんできたのは、僕と入れ替わりに降格する予定の先輩社員でした。

「誰がこんなことをしたんだ」と、騒ぎに騒いで、僕の方をチラチラ見ながら、あの人が何かやったんだと小声で言ってるのが聞こえます。。。

いや、マウス触っただけなんですけどね。。。

 

あからさまになる嫌がらせ

このように僕のPC音痴を理由に嫌がらせをしてくる人間は2名ほど。

先ほどの1名と、もう1名の上司です。

パソコンが苦手なくせにCADだけはうまくできる変なやつ。

しかも3カ月CADをやっただけで一人前でもないのに管理職になるズルイやつ。

ということを、間接的に攻撃してくる人が出てきたのです。

 

しかも古株ということもあり、とても威張っていたのです。

セクハラ発言も度々してましたが、怖くて女性社員は何も言えないという、そんな最悪の上司でした。

 

最初でこそ、僕に対しては嫌味を言う程度でしたが、

ちょっとしたことで僕が、会社に対してグチのようなことを言ってしまったんですよ。

「本当は図面じゃなくてイラストや挿絵が書きたかったんだ」

等とその人の前で不用意にも言ってしまったんです。

 

まだ入社3カ月で、好待遇を受けているにもかかわらず愚痴ったものだから気に入らなかったんでしょうね。

「そもそもパソコンができないやつは、この会社にいちゃいけないんだよ! 辞めちまえ!」

なんて言われてしまったのです。

いつも暴言を吐いている男だったので、これくらいなことは言うだろうとは思いつつ、

こんなパワハラ・セクハラ上司に何も言わない会社にも呆れてしまったのです。

 

もちろん、そんなことを言われれば周りの同僚も

「あいつ酷いね」くらい声をかけてくれてもいいものなのになあと思ったものです。

でも、まわりの同僚たちも、僕が早々に昇格するということを知ってますし、

そんな僕をかばう理由なんてないですよね。。。

 

まだ3カ月ですが、妙な孤立感で急速に会社にるのが嫌になりました。

でも、「ここで辞めたら、ダメ人間だな」と、そう思って思いとどまろうとする自分もいました。

 

<オマケ>

むかし僕の主催してた漫画サークルの会報に載せてた4コマ漫画です。

「漫画家を目指した話」シリーズの末尾に1本ずつ載せてますので見てね。

 

 

https://inumakedon.com/tenshoku-jidai/

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